アリスのしっぽ

何せうぞ くすんで  一期は夢よ ただ狂へ

永遠の憧れ③ー王 貞治さんー

野球選手としての王さんについては古~い野球ファンにはもう語る必要も無いと思います。私が尊敬している部分はちょっと別の所。「人」としての王貞治さんです。

お父様が中国(台湾)の方なので、名字は「王」ですね。もちろん日本にきてからも国籍は中国のままでした。早稲田実業時代は国籍問題で国体に出場できなかった(当時)そうです。そんな王さんご夫妻にはお嬢様が三人。名前にはすべて「理」が使われています。それは、女の子だから結婚したら名字は変わるけれど、ずっと「王」という自分たちのルーツは忘れないで欲しいという思いが込められているそうです。素晴らしいプライドですよね。

それでいて常に控えめに、偉ぶらず、本当に素晴らしい人格を持った方だと思います。756号のホームランを打った後のセレモニーで、王さんのご両親が出ていらしたのですが、何度も何度もお辞儀をされてて、さらにお父様が奥様と一緒にスタンドの四方にそれはそれはていねいにお辞儀を繰り返しされていた姿は印象的で、みていて涙が出てきてしまいました。

でも、さらに素晴らしいのは王さんの奥様だと思います。もちろん時代的な面もあるとは思いますが、奥様はこのセレモニーには一切出ていらっしゃいませんでした。ご自宅にいらしたそうです。世界一のホームランバッターを支えるのは、やはりこういう方なのでしょう。ONー長嶋さんと王さんーの奥様はどちらもはやくにお亡くなりになってしまいました。「人々を熱狂させる偉大なる男」を支えるのは他の誰にもわからない思いがあった事でしょう。王さんの奥様は娘さんが熱を出したりすると一晩中外であやしていたりしたそうです。テレビで「お父様」の試合を見るときは皆で正座してみたそうです。(長嶋家はそのへんとてもゆるかったそうですが笑)

奥様にとっては「王貞治」という人物はそれほどの方だったのでしょう。憧れますが、到底私にはできません。「無理~💦」ですね。たどり着くことのできない境地です

こういうふうに書き連ねるとやはりちょっと現代の感覚とは違うニュアンスになってしまいますが、まあ結局「女性がここまでするほど価値のある男性」はそうはいない、ってことです(笑)女性の問題でなく、男性の問題(きっぱり)。

 

時は流れて、長嶋さんもご病気と闘ってます。すごい闘志です。王さんは再婚されて、ソフトバンクの会長として頑張っていらっしゃいます。人々を熱狂させたONとライバル達の時代は、たとえ「今は昔」の話でも、やはり私にとって王さんは永遠に憧れる野球人です。