アリスのしっぽ

何せうぞ くすんで  一期は夢よ ただ狂へ

恋する閑吟集③ーあまり言葉のかけたさにー

235 あまり言葉のかけたさに あれ見さいなう 空行く雲の速さよ

はい、胸キュン純情ソング来た!(言葉のチョイス💦)

これはかなり後半に出てくる小歌です。「意中の人」とあっても話しかけられない、でもせっかく会えたのにこのままだとすれ違っちゃう・・という切ない思いから何気ないふりを装い「あれごらんなさいまし、空行く雲足の速いこと」ということですね。

「言葉をかけたいと思いながら、きっかけがなく、やむを得ず眼前の空を流れる雲の景色を言ってそれを一つの機会(チャンス)として男に近づこうという純情可憐な女の心理を歌う」と解説されています。

これも「摩利と新吾」の中で古文のテスト問題に出てきてましたね(笑)ただ、解説文の中の「男に近づく」と「純情可憐」という表現にはちょっと違和感ありますよね。「近づこう」とした段階でそこには「あざとさ」が加わりますよね。つまり×純情可憐ということ。同性にはわかる!よね?そうするとこの恋応援できない。この歌の乙女にはそこまでの意図はなかった、というかとにかく何か言葉を交わしたい一心からでた一言だと思います。そうであってほしい。

現代だったら、例えばLINEなどでこういうちょっとした「恋歌」を気になる人に送るのもおしゃれな感じする。なんか素敵じゃない?暗号みたいで。