アリスのしっぽ

何せうぞ くすんで  一期は夢よ ただ狂へ

趣味・古典・日本文学

シンポジウムに参加しました

私は茨城県下妻市出身です。日曜日、久しぶりに下妻市立図書館に行って来ました(実家は市内ではなくはずれの村部なので寄れませんでした) 1年に1度開かれるシンポジウム、今回5回目です。私の姉も入っている研究会です。 私達の曾お祖父さまの研究?をして…

ほんとの空

小学生の時から高村光太郎の詩、特に『智恵子抄』という詩集が大好きだった。中でも「智惠子は東京に空がないといふ・ほんとの空が見たいといふ」ではじまる「あどけない話」はとりわけお気に入りの一編だった。 彫刻家そして画家でもあった高村光太郎と、女…

恋する閑吟集④ー水に降る雪、片恋の歌ー

248 水に降る雪 白うは言はじ 消え消ゆるとも 「わが思いは水に降る雪よ。あからさまにそれと打ち明けることはすまい。たとえこの身が雪のようにはかなく消え果ててしまおうとも」 一瞬でとけてしまう「水に降る雪」は、「はかないもの」の象徴ですね。到底…

恋する閑吟集③ーあまり言葉のかけたさにー

235 あまり言葉のかけたさに あれ見さいなう 空行く雲の速さよ はい、胸キュン純情ソング来た!(言葉のチョイス) これはかなり後半に出てくる小歌です。「意中の人」とあっても話しかけられない、でもせっかく会えたのにこのままだとすれ違っちゃう・・と…

恋する閑吟集②-何せうぞくすんで-

55 何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ ブログの一言説明もこれにしている通り、いかにも当時の人生観をあらわしている歌です。田舎育ちで、ただただ型にはまった生き方しかしてこなかった私自身とは真逆の、だからこそうらやましい感じがする歌ですね。…

閑吟集よりー思ひ出すとは忘るるかー

大学時代、お世話になったゼミの先生は私達ゼミ仲間の憧れだった。お茶の水女子大卒の才媛で専門は歌舞伎。私は卒論で江戸時代、元禄文化の浄瑠璃作家近松門左衛門の「姦通(かんつう)もの」(いわゆる不倫もの)を選び、先生からも友人からも相当変わり者扱…

永遠の憧れー坂東玉三郎さんー

「鏡よ鏡、この世で一番美しい女性は誰ですか?」おとぎ話の台詞であり、一番~という表現はあまり好きではないが、思い浮かべる人は複数いる。その中の一人が歌舞伎役者の坂東玉三郎さんである。歌舞伎ファンでなくてもおそらくすぐに姿形が思い浮かぶであ…

恋する閑吟集①ー花の錦のー

*原文・現代語訳などはすべて岩波文庫「新訂閑吟集」(浅野建二校注)による。 なお、今後このブログ内の閑吟集関連の歌はすべてここより引用する。 「閑吟集」は中世、室町時代の小歌集です。格調高い恋の歌から、男女の営みを赤裸々にうたっているものま…